期限をまず決める


タイトルは前職のCOOが教えていたことで、重要な行動パターンの一つだと思う。

人間は怠惰な生き物だ。
人間は臆病な生き物だ。

なので、安全に、完璧に出来るとわかってから行動する。
なので、目の前の安心を取ることに注力する。
ただし、安全も完璧も、完全に可能である保証は出来ないので、期限がなければ、いつまでも後回しにされる。
目の前にある稲を刈るだけ刈って、種まきをしなければ次年度には稲の収穫は出来ない。

重要と緊急のマトリックスがあるが、「緊急かつ重要」は常に最優先される。一般的にその次に優先されるのは「緊急であるが重要ではない」である。「緊急ではないが重要である」ではない。
しかし往々にして重要なのは「緊急ではないが重要である」領域(図では左上)
重要緊急
「緊急ではないが重要である」は、大抵将来的には重要だがすぐに効果が出ないので置いておかれがちなところのことである。
現在の弊社団だと、「つりチケ」の位置づけはそうなりがちである。
「つりチケ」という自社サービスは育てなくても、受託開発の案件は多くどちらかというと断っている状況(この記事記載時)だからである。
ただ「つりチケ」に手をかけないままだと、自社サービスのプラットフォームビジネスが育たず、CWPとしてやりたいことにも繋げられないままになる。

このような状態の時の解決策は、
期限を決めて、「緊急ではないが重要である」から「緊急かつ重要」に格上げすることである。重要緊急2

「緊急」とは何か。急ぎやらないといけない=期限が決まっているもの、ということになる。
BtoBの場合、顧客からの期限は、期限を決めるのが顧客であるため、ここまで!と言えばそこが期限になる。
そこの調整は、実は「本当の本当にその期限ってその日である意味ありますか?もうちょっと先でもいいのではないですか?他にこちらの方が優先すべきでは?」と期限の意味を確認して調整する必要がある。顧客側も組織人だと上司に怒られたり他との調整があったりするため、そのプレッシャーで少しでも早くしたいだけかもしれない。(本当のその期限である必要もあるかもしれない)

では「つりチケ」のような自社サービス等の場合は?
これは結局自分たちで期限を決めるわけだが、自分たちで決めた期限は結局決めたのも自分たちなので、伸ばすのも自分たちになりがちである。
なので、ここも解決方法は2つ。
①期限を変更出来ないようなプレッシャー状況に置く(外部へのプレスリリースセッティング日を決めてしまう、リプレイスのためのハード自体の止める日を決めてしまう、等)
②期限の意味を事業展開計画を検証して考え抜き、そこで手を打てないと負ける、というレベルまで落とし込む。

①も②も難しいような内容(最初のプロトタイプでもよいので製品・サービスを出す等)となると、後はその人個人が自分で決めた期限にどこまで追い込むことが出来るか、という習性がモノを言う領域になる。

尊敬する人で濱口秀司さんというイノベーションを創ること自体を仕事にしている方がいるが、その人の話で最初の電機メーカー時代に「自分は怠け癖があるので、朝6時に来ると決めて、9時の業務時間までの間自分の好きなことをした」と、ルール化してしまったという話があった。
これだけすごい人でもこういうことをするのか、とも思うかもしれないが、自分としてはこういう自分ルールを決めてきちんと守れる人だからこそ今の濱口さんのような人になったのだろう、と感じている。そして自分ルールを決めるためには、「自分は怠け癖がある」という自己認識をまずきちんとすることから、だと思う。
人間が持っている属性は自分も持っているものである。だから

人間は怠惰な生き物だ。
人間は臆病な生き物だ。

自分は怠惰な生き物だ。
自分は臆病な生き物だ。

なのである。
ならば、期限を決めるというのもその習性に対するルールによる統制である。
実現不可能な期限を設定する意味はないが。あくまで背伸びしたら届く、自分の120%だしたら届く、という期限の設定が胆。失敗して原因が能力不足なら次の期限は少し長くみたらいい。それだけだ。