出来る人と出来ない人の違いは何だろう。
一つ分かりやすく見える方程式は、以下のようなものだと思う。
1.01を365日乗数でかけていくと、結果は約37.78、
0.99を365日乗数でかけていくと、結果は約0.025。
毎日1%向上すると、1年後には37倍になっている。
毎日1%堕落すると、1年後には0.025倍になっている。
そもそも、365日なので0.01×365で 3.65倍じゃないの?と思う人もいると思うけど、経験上、能力向上は乗数的だと感じる。
人の脳は神経細胞一つ一つが、多くの他の神経細胞と繋がっている。神経細胞一つ増える毎に、それと連動する機能は1つ以上に増える。
知識は連動的で、にんべん、さかなへんがつく漢字といった覚え方や、この人にはここで会った、こういう場所で会ったのはあの人だ、という連想記憶がより強固な記憶に結びつく。
経験でも、様々な知識が結びついて新しいものが出来上がることがよくある。かのAppleの有名な故スティーブジョブズも、カリグラフィー[*1]授業が後にMacを開発するときにその知識が生かされたという話もしている。
[*1]カリグラフィー――文字を美しく書く技術のことで、日本で言えば書道に相当する。その体裁を整えるための文字の書体やサイズ、レイアウトなどに関する視覚的なデザインの総称がタイポグラフィー
ジョブズと比べるのは別として、私自身もIT業界から水辺環境という土木、環境、農林水産といった業界に接するようになったが、IT業界での標準が新しい分野ではまだ標準でもない、といったことは多々経験している。
新しいものでなくても、勉強・仕事しまくっていると、知識が体系化されて急に全体理解できるようになるとき、ありませんか?
信用も、経験上1.01の積み重ねが大きな信用に育っていく。
相手の期待値の斜め上を常に行くことで、この人に任せていける、この人になら多くを支払ってもそれ以上の価値を出してくれる、と感じてもらえる。ビジネスとしてお金を頂くには特に重要な姿勢である。
これは乗数なのかどうかははっきりしないが、少なくとも1.01をやっていくことによる副次的な効果であるのは確かだ。
ピアノやゴルフ等、特定の分野で世界的な一流になりたいのであれば1万時間の練習や実践が必要だ、という話もあるが、これも1.01の積み重ねの重要性とイコールと考えられる。
実際のところは、1.01を積み重ねると、ある時まで5だったアウトプットがいきなり100になる、というのが真実かもしれない。
または、ある閾値を超えて、99までは普通に見えるが、100を超えるとすごい人に見えるのかもしれない。
どういった評価であったとしても、努力すること、相手の期待値を超えること、あと少しの部分を頑張れる人、こういった習慣は、1.01を積み重ねる習慣であり、社会的な成果を出している。