「能力」カテゴリーアーカイブ

成長する人の特徴

仕事をする上で、当然色々な能力アップした方が、できる幅が広がり、選択肢が広がるし、市場評価される=収入アップにも繋がる。

ただ、その人の今の能力は、生まれた環境からすでに影響を受ける。親や周囲の環境によって、言語能力、身体能力、数学的思考、デザインセンス、非認知能力、努力を出来る能力、等の付きやすさは大きく変わってくる。
それは仕方ない。今あるものはその人の環境と努力と選択の結果だが、子供の頃の環境はほぼ変えられない。

それらを所与の条件として、その上で、仕事の場に入った後に、入った時と比べて数年でどの程度成長するか、は以下の要素をどの程度持っているかによって変わってくる。

①やると決める到達基準の厳しさ
②自学力
(メタ認知、何故/どのように/の思考力、ロジカルシンキング)
③認知バイアスの希薄さ
(自分はこれぐらいしか出来ない、というガラスの天井を意識してしまうかどうか)

この中で、大部分の人にとって重要なのは③>①>②である。

やると決める到達基準の厳しさ
まずはじめに、仕事においては求められる成果がある。これは工場で不良品見つけるでも、システムプロジェクトを期限通り品質期待値超えて完了するでも、起業して事業売上100億円作るでも、あたらしい真理を証明する研究でも、何でもだ。

その上で、それを実現するのに、自分の能力が足りているのかどうかがある。
そのギャップがあった場合に、どの線引きを自分に課すのか。
自分の今の能力だと、3か月かかると思われるところを1か月で終わらせる、と「期限」を厳しく設定することも一つ。
人事業務にも人事システムにも関わったことがなく、業務知識がないけどそのプロジェクトをやらせてもらう、「知識」の面でのギャップを追いつかせることも一つ。

このギャップが大きすぎると、相手から求められる期待の結果が出ないこともあるし、そのプレッシャーで本人がつぶれる可能性もある。
事業だと失敗することもあるだろう。
一方で、ギャップがほぼない状態であれば、自分の能力を伸ばす要素がないため、当然成長はしない。

結局、早い成長を目指すなら、到達基準を自分が思っているより厳しめに設定し、必死にそれをクリアすることを繰り返すのが一番である。

人は基本自分に甘い。
なので、ライザップのような商売も成り立つ。トレーナーに指導してもらうことで、甘い対応をなくしてもらう。
仕事においても、上司や顧客が厳しいところにあえて入っていくのも、強制的に甘えの環境をなくす上では重要である。

個人で取れる手段としては
・期限を決める。まず決める。そして期限を守ってやるようにする。
・依頼や相談されたことは断らない。断ろうとしているのが、自分を守ろうとしていると感じるのであれば、特に断らない。
・厳しい人や環境に所属し、どんどん受け入れて半強制的にやる状態を作る
等がある。これらを意図的に避ける人は、成長が止まりやすい。成長に必要なギャップを作らないからだ。成長には常に一定の苦痛が伴う。

ただ、この苦痛を薄める方法として自分が出来ることより少し大変な斜め上のことを、短い期間で繰り返す。そのために可能な限り足りないものを分解し解像度を上げ、細切れにして高速に回す。
概念的な話なので明確な出来た基準はわかりにくいが、意識してやっていると数カ月、数年後過去の自分で出来ていなかったことが当たり前に出来てることに気づく。

②自学力
①で到達基準、ゴールを決めたら、次はそこに至るためにどうするのか。

一番は、自分で工夫してクリア出来ること。
ただ、自分で工夫するには、ゴールまでのギャップに足りないものを解像度高く把握できる必要がある。
結局ここでも①の手段考える上でさらっと使われている
・メタ認知力(自分の思考や認知活動を客観的に見つめ、自己を理解し、行動を調整する能力
がまず必要になる。自身を客観視出来ない人は正しく反省が出来ず正しい工夫が出来ないから必須能力と考える。

現状認識出来てギャップが理解できたら、その上で
・なぜなぜ思考(原因、真因の追求)
がしっかり出来て、何を解決できると一番効果的にうまくいくのか、を考えられる必要がある。(正確にはメタ認知という概念のなかに、この何故を考える能力も含まれている気はするが、ここでは分けておく)。
仕事上でのギャップは、お客様の視点に立って考えられていないから言葉が届かず不満溜まっている、ロジカルに短く説明出来ずMTG効率悪くクレーム、といったコミュニケーション関連スキルもあるだろうし、プログラミングの技術わかっておらずなんでもfor文使っていて処理が遅いし冗長、等色々あるだろう。
それらも、例えば何故お客様の視点に立って考えられていないと感じられるのか、何故ロジカルに短く説明出来ていないのか、といったさらに深堀が出来てないと、真に自分が改善すべきポイントが見えないので正しい方向に改善が出来ない。

この②は訓練でどうにかなる後天的に付けられるベーススキルに属するもので、仕事でも比較的当たり前に身につく人が多いとは思う。

③認知バイアスの希薄さ
この3つの中で、実はこれが一番難しい問題である。
何故なら、認知・バイアスは自分がそうだと認識自体していないことの方が多いからである。

今まで色々人を見てきた中で、いわゆる高学歴(日本だと有名国立大学+早慶あたり)の人は、①②が受験や部活ですでに結構高い水準を身に着けていて、それらで自信がついているので③も「自分は出来る」と思っているラインが高いので、自然に出来ている人が多い。(その中でさえ差はあるが)。
さらに言えば、それらの人はこの③も家庭環境で親に肯定される、愛情を注がれていて肯定感・安心感による自信(根拠は多数論文あるので探してみてね)がすでに小さいころにベースが出来ているパターンも多い。

一方で、偏差値レベルで言うとそれより少し下の大学層の人は、実は②部分ではなく、①や③の部分の課題、という点が中長期では大きい。
③は、想像するに、すでに学校では偏差値やスポーツの出来具合という形で序列が出来てしまうので、そこで③の意識面でのガラスの天井が出来てしまうのだと考える。
(ちなみに、ガラスの天井、は跳躍力のあるノミを、飛べるよりも低い場所にガラスの天井付けておいておくと、天井に頭ぶつける経験により、天井を取り除いても元の天井ぐらいまでしか飛べなくなる、という研究から来ている。無意識にそれ以上飛んでも頭ぶつかる、という学習するのだろう)。

ただ、一定数、明らかに過去経歴的にそこまで特筆するところなくても、数年で思った以上に成長する人がいる。それが③のバイアスが欠如してるタイプである。
ある人は30歳でアパレル業界辞めてアメリカの語学カレッジ→現地大学いって、弊社にも電話でインターン探している旨あって自分判断で面白いからと3カ月ほど受け入れ、その後アメリカのマイクロソフトに入社した人がいた(多分一時的には私より年収高かった)。
ある人は、営業やホスト経験もあり、IT業界転職してその後弊社に来て、最初半年ぐらいは要領も良くなく仕事力も高くなかったが、ある時点あたりから急激に伸びていって、今はフリーランスとして独立しているが収入はIT業界転職後から自分の知る限り3倍近くになっている。
他、知り合い教師からの話で、高学歴な高校の人は有名企業行ったりで安定的に収入が高めだけど、それを飛び越してすごい稼ぐ人は意外に偏差値50前後の高校にいた子が結構いる、という。

収入面はあくまで指標の一つでわかりやすい話なのと、特にビジネス分野では③との相性面で影響が大きい部分だと思っているが、この③の点の人の違いは、ある意味常識を知らない、あまり感じ取ることがない「バカ」なのである。
地方創生でも「よそ者、若者、ばか者」が地域を変える上で重要だと言われるけど、出来ると思ってやり続けてたら出来ちゃった、みたいな感触かもしれない。

③のクリア手段としては、考え方、認識を変えことが大切。
・実際うまく出来てる人でない人が、「それは無理だよ」「出来ないよ」「うまくいかないよ」と言っているなら、聞く意味はない。なぜならその人はその分野でうまくいかせたことがないから方法知らないのだから。
・時間軸を意識する。能力も他リソースも足りていない今にすぐうまくいくことは確かにない。ただ数か月後、数年後、だと出来ている可能性はある。

ただ、③に関しては、あくまでビジネスや社会変革という実行に重きをおく分野では重要だが、研究分野という真理の追究の上では好奇心や自頭の良さ、収集癖等といった能力面の方がより重要かもしれないので留意してもられば。(研究者ではないけど知人には多いのでそんなにズレてはいないと思う)。

成長とは、能力という資産を増やすことで、他に奪われない重要な資産である。
どういった分野の資産を増やすか、という点はあるが、能力自体も身に着けるには考える力と共に、如何に「やる」ようにするかが重要、という話。

夢を描く

何かになりたい、実現したい、と思うなら、まずはこの「夢を描く」ことからだと思っている。

夢を描く、というのは、こうなりたい、こう生きたい、こういう世界を作りたい、といった実現したいことを映像・イメージを伴った形で思い描くこと。

夢、という言葉を使っているのは、心からやりたいと思うこと、わくわくすること、を思い描くことがまず重要だから。でないとその夢を選択しようと思わない。なので、自分と徹底的に向き合う必要もある。そのためには1か月ぐらい休みとっても良いと思う。

人生や仕事で未来に対してこう進んでいこうと思い描いていると、現実の何かうまくいかないこと、へこむこと、辛いときにも、諦めずに進むことができる。
この夢が力強く具体的であるほど、先に進もうとする力強さを持つ。

夢を描くこと。そしてそれを実現する、と決めること。
描いたものは、実現したい、という希望ではなく、実現する、と決めること。
決めるためには、その夢が確かに少なくとも自分にとって夢と言えるだけの素晴らしい状態であることをイメージできる必要がある。

夢は、出来るか出来ないかではなく、やる・やらないで決めること。
期限があるからこそどのようにの手段も出てくるので、時間軸を決める必要はあると思うが、その期限内に出来なければ、別の期限を設けるか、別の道を進めばいい

本当にどうしてもできなかった時のことを考えると恥ずかしさや屈辱感じるので嫌だ、と選択できないかもしれないが、自分はサイバーエージェントの藤田さんが言っていた言葉「人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない」が非常に共感するところがあり、自分の行動もこのレベルで見られていると思うことで選択しやすくなったので記す。

やると決めて、夢に向かって進んでいる、追いかけていると、それ自体が生きがいになり、人生を楽しくする。それこそ成長や人生の進捗を感じられるからである。

夢でそんな大それたことを描けない、というなら、まずはそんなに遠い将来のことでない、今より少し背伸びして届く目標をまず描くのがよい。
2年以内にウユニ湖に行く、でも、今のプロジェクトをスケジュール遅延なくやり遂げる、でもよい。
自分の「決め」と今より少し以上には大変な「努力」により直近の夢を達成することで、背伸びして届く範囲が増え、次の夢・目標を描けるようになる。

この夢が、自分個人のためだけでなく、社会や他者に向けたものを描くことになると、「ビジョン」や「大義」になる。
共通した夢を追いかけてくれる人が仲間となり、チーム・組織になっていく。起業するなら、まずこれを作れるとよいし、作っていなくても心で持っていることが最低限のうまくいく秘訣だと実体験上は感じている。理由は、まさに人は人を見て信用できるか判断し一緒に仕事してくれるからである。

仕事や人生における「成長」とは、実現出来ることが増えること。夢=行く先を決めることで、現状とのギャップを認識し、そのギャップを埋めていくことが行きたい先に行ける力を身につける=成長 となる。

吉田松陰の言葉に以下がある。

夢なき者に理想なし、
理想なき者に計画なし、
計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。

大人になると、一般的にその人生の1/3は仕事に捧げることになる。
つまりは、仕事を素晴らしくすることが人生を素晴らしく生きることに繋がる。
夢を描くことは、幸福にも、成長にも影響する人生のベースになる。

誠実

CWP/creatoのフィロソフィには、「人として」という項目がある。
京セラ創業者稲盛氏の、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」であるように、熱意と能力は0~100だが、考え方は-100から+100まであり、人としての考え方次第で人生や仕事がマイナスにもプラスにも振れるからである。

「誠実」を掲げているが、社内や社外すべてが誠実であれば、結局うまくまわるからである。

「誠実」とは何か?

誠実、とはうそをつかないこと、などが例えば日本語では誠実の範疇に入る。
ただ、うそをつかないこと、は honesty=正直 ではあるけど、誠実はそれより広い範囲を含んでいる。

英語では integrity=誠実・正直・高潔・品位 といった言葉で表現される。
(Cambridge Dictionaryでは integrity=”the quality of being honest and having strong moral principles that you refuse to change:”)

約束したことは守る、言ったことは実行する、相手の信頼に応える、私利私欲をまじえず相手を想って行動する。

こういった、利他的な心で、行動・行為・姿勢といった他社が同様に評価できる、目に見えるものまで落して込んで実行すること が「誠実」と言える。

これらの延長には、
・仕事で顧客や同僚が求める成果を期待値通り、期待値以上に出す
・相談をしたときに必要な秘密は必ず守ってもらえる
・問題が発生した時に、逃げずに事実とこれからの対策を考え向き合い解決する
といった行動にも繋がる。

「誠実」の効果は?

誠実に効果を求める時点で、利己的なので、誠実にはなりきれないのだけど。。
見た後に意識しないという前提で、あえて記載しておくと。

 信頼される=様々な助けを得られる

これが根本的で最重要な効果。

信頼されていれば、言うことを信じてもらえる。
信頼されていれば、依頼を受けてもらえる。
信頼されていれば、背中を任せて前に進んでいける。
信頼されていれば、お金を貸してもらえる、出してもらえる。
信頼されていれば、人を紹介してもらえる。

これが組織全員がそれぞれ誠実であれば、お互いがすべてお互いになる。

逆に、あなたや、組織内各人が信頼されていない場合を想像すると、
・事業計画や目標を伝えても、その裏に何か理由や利己的なことがあるのでは?とそのままのことを信じてもらえず、曲解されてサボタージュされたり、別のことを実施されたりする。
・言ったことを実行しないと思われているので、連動して必要な行動も実行してもらえない。
・裏切られる前に裏切ってしまえ、と逆に嘘をつかれ、裏切られる。
・お金を懐に入れるような人間だと思われ、お金を貸してもらえない。
等々。

誠実は結果的にコミュニケーションコストを下げる。

協力=お互いの助け合い、なので記載の効果と同じことだけど、人が多くなるほど組織としてうまくまわるには、その組織内メンバーの信頼関係が重要で、皆が誠実であることを共通で信用できると、その組織所属の人を信頼する時間とコストをかけずに信頼することができる。有機的に効果的に繋がることこそ成果を出す組織の重要ポイントであることを考えると、組織文化として誠実であることは、結果強い組織であることに繋がることになる。

リーダーシップとは?

リーダーシップとは何か?

カリスマでなくても、努力と一定の覚悟を持てればリーダーシップの要素は獲得することができる、と自分の人生で試してきて感じているので、主に事業創造の分野においてのリーダーシップに関し自分の考えを記載。

わかりやすい対比としては、「マネジメント」がある。

言葉の定義を確認すると、
リーダー は リードする から来ている言葉で、引っ張る人。先導者。
LONGMAN英英辞典だと lead は to take someone somewhere by going in front of them while they follow, or by pulling them gently
マネージャー は マネージする から来ている言葉で、方向づけし、やりくりする。コントロール。
LONGMAN英英辞典だと  manage は to direct or control a business or department and the people, equipment, and money involved in it


「リーダーシップ」は、経営、事業作り、変革者、新しいものを作る上では必須の能力だと考える。
「マネジメント」も、経営では必要で、事業運営でも必要だが、両社は根本的には別物。

では、「リーダーシップ」とはどのような要素で出来ているのか?
その要素を検討するには、人が何故リーダーに先導されるのか、ついていこうと思うのか、を考えると良い。
人が、ではなく、自分が、と考えるとよりわかりやすい。
その要素は、3つあると考える。


要素の1つは、「確信」を持って行動しているかどうか。

大部分の人は自分の考えや選択に「確信」がないため、「確信」を持っていている人についていくことでその不安を埋めようとしているのだと思う。

システムを文句ないレベルで構築できる、営業で常にトップクラスの結果を出す、サッカーがうまい、どんな分野でもいいが、こういった技術的な要素は一つリーダーシップに繋がりやすい。フォロワー側としては自分より技術に秀でているので師事したいと思うのは当然であり、技術を持っている人としても他より対象の技術に自信がある=その分野の「確信」があるためフォロワーを率いる自信がある。

これが事業を創る上では、これが事業構築経験値の高い人であれば過去の結果より事業創造出来る自信があるが、事業創造経験を得れることは決して多くは無い。それも先導してすべてを判断し責任を持つ立場としては。


すでにある職種と違って経験を持っている人が少ない場合、確信を持つには、徹底して考え抜いて自分なりにこれは正しい、いける、という確信を持てるだけ考え切ること、が一つの手段としてある。事業プランをブラッシュアップし続ける、練り直す、ということはこの一つの形で、そのために確からしい数字を元に、事業が成り立つかどうかを細部にわたって考えることを推奨することになる。このプロセスで徹底して想定することをトレーニングすることが他の人より「確信」出来ることに繋がっていく。

単に想像するだけでは「確信」に変わりにくい場合、その手前に自分で「仮説」を立て実行して「検証」する経験値が足りていないことで、自分の仮説の精度を信用出来ていない、ということもあると考える。


2つ目の要素は、「本気」かどうか。

「本気」を感じる要素の一つは、話していることや仕草、思考等にじみ出るものに迷いがないかどうか。
わかりやすい言葉の現れに、「やりたい」「やろうと思う」ではなく、「やる」「やります」という、もう決断した後の言葉を使っているかどうか。

もう一つは、実際にそのための行動を起こしているかどうか。
言っていても、やっていなければ言葉だけの人、と信用されないことも多い。

TEDでリーダーシップとフォロワーを示唆する、非常にわかりやすい動画がある。「社会運動はどうやって起こすか」
リーダーは1人でリーダーになるわけではなく、フォロワーが出来て初めてリーダーになる。
ただ、一人目のバカがいなければフォロワーも発生しないので、リーダーは一人目のバカになる必要がある。その基準は「やる」か「やらない」か。

「できる」、「できない」 を考える人が多いが、本気かどうかは「やる」「やらない」の軸で決まるものである。だれもやったことが無ければ「できる」とは想像できないかもしれないけど、「やる」と決めて工夫し続けて、結果「できる」ことは人の伝記、経験、歴史含め数限りなく事例がある。
当然、タイムマシンは技術的、理論的に可能性が現状で全く見えないレベルだと思うので、「やる」と決めることをどの程度の可能性にかけるか、という問題はある。ただ、1%でも「できる」可能性があるなら、後は本気で取り組むかどうか。


上記2つの要素だけでも「リーダー」としての素質はあるが、要素としては足りていない。

3つ目の要素に「外部にベクトルが向いている」ことがある。

抽象的な言葉にしているのは、これが「利己的ではない」ことが特に重要で、ただ「利他」の方向性は色々あるから、若干抽象度を上げた言葉にしている。

イーロン・マスクは、EV車や宇宙開拓で世界を救う、と本当に思っていると感じるし、スティーブ・ジョブズはアーティスト的感覚ではあるだろうけど、今までにないiPodやスマートフォン等作り出してきて人々の生活様式を変えてきた。稲森和夫氏はまさに「利他の精神」で京セラ、KDDIを作り、JALを再生させてきた。
身近で感じたのは、前職代表の牧野正幸氏で、本気で日本のシステム費用対効果を上げて日本を良くしようと大手向け国産ERPを広めていっていた。

政治家はあまり近しい人で関わったわけではないので判断つきにくいが、少なくとも多くの人に会う中で、「この人は本気で自分にためより、他の人・社会のためにやろうとしている」と感じる人は最低限応援はしたくなったし、信用出来るからこそ自分の時間やお金を使おうとも思った。
この気持ちと行動こそがフォロワーシップなのだと思う。


要素として説明は出来るけど、では要素が見えたので技術的に「確信」を持ち、「本気」で、「外部にベクトルを向け」て見様見真似でやってみても、それらの中身がそれぞれ本気でないと、多くの人は本気でないことを直感的に感じ取ってフォロワーになってくれない、というところが面白いところ。

「利他的」な言葉を使っても、「利他的」に見せるために行動して、心から「利他的」でない場合、言行一致していないところが節々に見え隠れするので採用やプロジェクト初期はうまくいっても、フォロワーは何か違和感を感じ始め、結局重要な人ほど抜けていき、組織崩壊する。

「本気」なように見せかけても、問題発生時に逃げたり、言っていたことを続けなくなると、結局「本気」ではないことが見透かされてフォロワーは離れていく。

中国故事で君子の「徳」の重要性を説かれるのも同じ文脈なのだと思う。心から利他的であることで真に共感されるのであって、君子が利己的であれば面従腹背でいざというときには崩壊するのであろう。

ちなみに、この3要素がどれか欠けた場合に事業創造はどうなるか。

×確信 〇本気 〇外部にベクトル = 戦略戦術がしっかりしていないと見られる=実現出来なさそう で多くのフォロワーがついていきにくい。

〇確信 ×本気 〇外部にベクトル = 基本的にうまく進むときはうまくいくが、何か問題があったときに止まって逃げる、方向転換してしまうことで最終的に可能性あったかもしれない方向性が潰れてしまう。

〇確信 〇本気 ×外部にベクトル = 初期の多くの事業経営者はこうなりがちでは?利己的だけど、事業自体は計画戦略も正しく本気なのでうまくいく。ただその人の欲のために仕える、といった形になるため、優秀で世の中の役に立ちたいと思う人ほどその場から離れていく。結果ワンマン経営者になりその事業経営者のキャパ以上の規模にならない。


リーダーシップは「確信」「本気」「外部にベクトルが向いている」(個人的には「利他的である」が好き)の3要素を持てれば誰でもリーダーシップを持つことは可能と考えている。

持つべつ順序としては「本気」が一番最初だが、それなりに本気で挑む分野に取り組むだけの「確信」が無いと本気になれないのではないか、とも思うため、いずれが先かは人によるのかもしれない。

「確信」が足りない場合は、その分野に関して考え切れていないので、調べる、行動して確認する、に如何に時間を振り向けられるか次第。

「本気」が足りない場合は、自分の欲求に合っていないので、自分の人生がどうだったか、何に強い興味関心を覚えたか、何に本気になれるのか、なりたいのか。如何に自分を知られるかどうか次第。

「外部にベクトルが向いて」いない場合、自身の徳を上げるしかない。自分の欲求が求めていない可能性もあるのでこの点はコメントしようがないが、一定以上の社会的価値を出すには、外部にベクトルを向けないとその結果が出ないことは確か。

今までに書いたものの分類と目次一覧(2025/05/10時点)

【想い・考え・徒然】

リーダーシップとは?
自分のスタンス、役割、ポジション
新会社:株式会社Geotrans を立ち上げました
日本の盛衰が40年周期なのは何故か?
事業として成立する分野と難しい分野|支出とリターンの4分類
起業時の踏み出しと、後方確認と。
4期目突入にて経営や人に関して想うこと徒然と。
起業家・事業家の「リスクテイク」ということ
人の縁は、想いと行動から
寄付はビジネスに役立つ?
働き方と育児と社会 
顧客第一主義VS社会第一主義と、自分の好み 
「環境団体」「環境活動」に関わる人とは?仕事になる?
目を輝かせて飛び込んでいくような水辺をすぐ近くにも!3
目を輝かせて飛び込んでいくような水辺をすぐ近くにも!2
目を輝かせて飛び込んでいくような水辺をすぐ近くにも!1

【制度】
フルフレックス、リモート勤務自由、休暇自由
ティール組織的な組織運営・作りに関わる、2021年10月時点でのCWP/creato制度と状況
CWPフィロソフィを作りました

【フィロソフィ】
自主自律- CWP,CREATOにおける基本指針
誠実
採算意識を持つ
変化を取り込む、恐れない、許容する
仕事において、良いプライドと悪いプライド
理想形をまず考える
夢を描く

【能力】
毎日の行動が大きな成果の差に繋がる。1.01^365=37.783、0.99^365=0.025
期限をまず決める
細かく分けて考える
成長する人の特徴

【経営枠組】
社団法人と株式会社、選択順序の理由
長期的=目的と、短期的=目標 が入れ替わらないように。


【社会課題】
行政・組織分野>
(特に行政において)人事ローテーション制度を変える必要がある。
地方にリーダーがいない?

【環境問題】
令和元年台風19号を機に考える

採算意識を持つ

この市場経済の世の中、生活するにはお金がかかる。住居、衣類、食、水道光熱費、車の所有、移動費、医療費、子育て教育費、保険、飲食、旅行、等等々。それらは給与が賄っている。その給与は、仕事として得た報酬から払われている。

完全自給自足で、移動も歩き以外使わないような生活でもしない限り、必ず個人にとって収入は必要になる。

個人の収入は、何かしらの所属している組織から給与として払われることが一般的である。そうでなければ、仕事単位で契約をして、仕事の結果として報酬を受け取るパターンになる。

ここで、自身の労働の対価として組織が給与を「支払ってくれている」と思うと、組織に従属し、組織の命に従う意識になる。その意識が極まると、実質的には組織の奴隷(組織に所有されている)と変わらなくなる。

意識を変えて、自身が組織の収益を作っている、支えている、と考えれるようになると、個人が組織を生かしていることになる。決定権が自身になる。自分の人生になる。

その結果の一つとして、フリーランス・個人事業主として生きていくのも良いが、「チームとして」の項にも記載の通り、組織でいることのメリットを感じているから一緒に働いているはずである。そうであれば、組織を生かす個人であるべきである。

その為には、自分の働きがどの程度の価値を提供しているのか、どの程度の収支に貢献しているのか、常に意識していく必要がある。

経営の基本は 収入 - 支出 = 利益 である。 支出の中に、個人の人件費=給与、も含まれる。 利益が残らなければ、投資が出来ず、投資が出来なければその組織に収益を生み出す資本(個々人の知的資本も含む)を残せず、時間当たり収入を増やせず、支出=給与も増やすことが出来ない。

一人ひとり、チーム単位、がそれぞれ採算を良くしていけば、組織全体として採算が良くなる。

自身にとっては、まず自分の時間がどの程度の価値を持っているか認識し、その価値を超える付加価値を所属する組織に提供することを意識する必要がある。

一般的に大卒の初任給は月約20万円。賞与や会社負担の社会保険等も含めると約30万円はかかる。月の稼働日を平均20日とすれば1日あたり1.5万円。1日8時間勤務で時間単価1,875円。10分単価だと312.5円である。何もしなくてもそのお金が給与として支払われている。ただ、組織の収入が無くなれば、その給与も払えなくなる。

実際のところは、そこに事務所賃貸費や水道光熱費、給与支払の計算振込処理等の間接費が必ずかかってくるため、実際は自分の給与よりもさらに時間単価は高くなる。

もし1時間をゆっくり過ごしたいのであれば、反対に他の7時間で1日分以上の価値を出さなければ、組織は成り立たたず、給与も払えなくなる。

極端なこと言えば、1か月の1日で20日分の価値もしくはそれに類する収入を出してくれても良い。

ただ、いずれにしろ一人ひとりがその価値を常に意識し、それ以上に価値を出すことが必要になる。

その意識を持ってもらいやすくするために、自己給与決定制度を設けている。今までより価値が上がった、価値をより提供出来ていると判断したら給与を上げてもらえば良いし、給与を上げるために収入をより多く、支出を少なくしていってもらえば良い。

CWP/creatoでは、事業部・チーム別、サービス別採算のデータを月次単位で出している。単純な自身の明確な数字採算が出せれば良いが、チームメンバーへの影響度やスキルアップ、円滑に動けるように手配することで大きなまとまった仕事を得て一人当たり売上の大きな仕事が出来るようにすること、等も価値であり、個々人、チームの結果として採算を良くすることで、結果として組織全体の採算が良くなる。

<<行動例>>

・売上と支出の数字を常に意識し、具体的に把握する。例えば、自分の給与から具体的に自分の1時間当たりコストを算出してみる。(会社負担分も含めると年間給与・賞与収入総額の1.2倍ぐらいが人件費、かつ組織で必要な収入のうち人件費率を7割で設定したとすると 個人年間収入×1.2×(10/7) が自身の年間コスト。それを時間単位に割ってみると1時間の価値を実感出来る)

・物の値段に興味を持って、知る。例えば仕事で使っているソフトはいくらか。それを人数単位で割ると月いくらの費用のものか。

・お金に換算が難しいものを、どのような価値を将来的にもたらすのかを想定してみる。

変化を取り込む、恐れない、許容する

社会が急激に変わっている、とはよく言われる。
個人の安定という意味では、職種に固執しなければいけなくなるのは危険でさえある。

産業革命以降、刀鍛冶は武士の世でなくなった後、急激に職が減っただろう。
馬の鞍や馬車を作っていた人は、車が出てきてから数十年で一気に職が減っていっただろう。

最近でさえ、固定電話は直近30年で携帯に取って変わられたし、日本で言えば裁縫は単価の安い発展途上の国に。受付は受付電話に。これからはエンジン自動車も電気自動車に代わっていこうとしているし、バス・タクシー・トラック運転手は自動運転にとってかわられる可能性が高い。

CWPで関わる内水面の釣り業界でも、鮎釣りは平均年齢が60歳を超えていて、右肩下がりで業界的に鮎はオワコンみたいな雰囲気がある(これに関しては違う見方持っているけど、それは別途)。
40年持たないと、自分の職を変えずに済む、ということが出来ないが、それが進化スピードが速くなってしまい望むことが出来ない分野が多くなっている。
それどころか、もう40年務めたら年金で、という世界さえ望めなくなるかもしれない。(多分そうなるけど)

このような世界では、逆に変わることが当たり前だと思って、それに対応出来る心と能力をつけておいた方が逆に心理的に安全だと言える。
現代社会のサバイバル能力。

原始時代は、狩りがうまくいなかければ食えなかったし、自然界ではそれが当たり前。
現代社会も、食うために必要な能力が変わり複雑化しただけで、その本質は変わっていない。
変わることを楽しみ、成長することを楽しむ。

以下は社内のフィロソフィ文面。
——

<<解説>> 
 人は変化を恐れる。コンフォートゾーンという言葉があるが、そこから抜け出すのを嫌がる性質を持っている。しかし、居心地のいい場所に留まり保守的になると、いざ変わらないといけない場合に心理的・身体的・環境的に大きな負荷になる。

 社会は急激に変化している。
 例えば、江戸時代の1700年~1800年の100年で考えると、人々の生活や仕事は大きくは変わらず、山では斧やノコギリで木を伐り、農地では草木や魚や牛糞等で肥料にしてちょっとした道具で作り、町での商売は紙の帳簿とそろばんと通貨でやり取りされる。

 ただ、2020年現在より前50年ぐらいを振り返った時に、50年前と違い、世界全土インターネットで繋がり情報が瞬時に個々人で共有され、携帯電話→スマートフォンと変わっていつでもどこでも電話し情報を手にし発信できる。ネット通信で遠隔地の鉱山を重機で無人操縦出来るようになり、youtuberが職業になる。終身雇用だと言われていたモデルが50年程度で無くなっていき、最高30℃ちょっとだった夏が今では40℃弱が通常になり、世界各地に100年に一度級の異常気象が頻発する温暖化になっていて、もうすぐ車の自動運転や遺伝子操作による治療も出てくる。
 資本主義とITが組み合わさり、お金が瞬時に動くことで技術革新が進み急速に世の中が変わってきている。

 変化が日常化する中で、個々人出来ることは、変化することが当たり前だと捉え、自身の経験や今のスキルに固執せず、徐々に自身も変化適応し、本質的な力とそれを支える心を身につけていくことである。
 
 弊社も、同様に変化が当たり前の組織を前提にしている。明確な組織図は作らず、役職も必要なように変化する。少しずつの変化により、結果として社会に適応し続ける。

 変化は日常と共にある。

 
<<行動例>> 
・新しい話や技術を、少しでも時間を確保して試してみる。それぞれに含まれる要素を抽出して自分のものにしていく。
・自分の役割を決めつけて固定化しない。好奇心と直感も動員し、できる幅を拡げていく。
・やりたいことがあれば、長期的な目的として決めて、いつまでに何をしていくか決めて、1日、10分単位でもいいので行動してみる。
・必要性があると思えば、新しいことをどんどん提案してみる、やってみる。
・自分の担っている役割を引きはがすのであれば、他に引き継げる人を探す、採用する。無くなってもそんなに困らない仕事はその機会に引き継がずに無くしてしまう、システム化してしまう。

自主自律- CWP,creatoにおける基本指針

『自主自律』
一社)ClearWaterProject, (株)creato(クリート)においてベースとなる考えである。

「ティール組織」では、「自主経営(セルフマネジメント)」という言葉を使っているが、それとほとんど同じ考えのように思う。

これは瀬川個人としての価値観でもあるわけだが、個人的感触としてそもそもに
・自分なりの視点/考えを持つ人は、話をしていて面白い
・人に心理的な依存をしていない人は、自律した人間感を感じ、強さ、カッコよさ、を感じる
という感覚がある。

何故そう思うのかと自分の感覚を追ってみると、
・自分の考えで話していると、自分独自の体験/経験/思考が感じ取られ、話の内容が濃く、聞いていて新たな視点発見があり、面白い
・依存しない人との関係性はすがすがしく、共に仕事や私事を共有出来る、お互い任せやすい
といったことを感じるから。

これらを体現する言葉が『自主自律』。
自主自律が基軸にあることで、
・『自主自律』=自分で考え、自分で判断し行動する、という繰り返しが自信を深め、本当の血肉となる経験となり、結果成果を出す人になる
・『自主自律』=頼られる、仕事が出来ると認知される人で生きていける(本当に無人島でサバイバル出来る人もその類に入る)ため、最悪自社が潰れてもその人たちは生きていけるだろう、という意味ではメンバーの根本的なリスクヘッジになる
・『自主自律』=頼られるだけのプロフェッショナルな能力、専門性を持つ様々な人が集まることで、それらを組み合わせて外部に対して今までにない新しい価値を提供できる。
・『自主自律』=裁量権が大きく仕事を自分で考え回していけることが、仕事においてのやりがいの大きな要素になる。
と、結果としてメンバー個人としても組織としても幸せに発展していけるだろう、と考えている。

当然上記は組織として動くうえでの個人ポテンシャルを最大限発揮していく組織戦略を担う文化という意味もあるが、そもそも個人の成長や人生よりよく生きる上で重要な要素だと考えていて、特に①による自信、が色々なベースになると考えている。

自信は慢心ではなく、あくまで「今うまくいかなくても、どうにかうまくいかせられる」という物事に対するポジティブな捉え方で、いわゆる「根拠ない自信」のことである。自分も目の前のやること全部に自信があるわけではない。というか成功するかなんてわからない。しかし最終的にはうまくいかせられる、とは思っている。

これを作る要素として、幼少期・子供の頃の親からの愛情はよく言われる要素の一つだが、後天的に作ることが出来る方法が、「自分で考え実行し、失敗しつつも最終的に成功する」の経験サイクルと範囲広げつつ繰り返すこと、だと思っている。このタイプの自信を持つことで、失敗に対してもチャレンジできるので、結果としてより影響力のある仕事が出来るようになるし、仕事限らず自分の人生自体をポジティブに捉えられるようになってくる。

①を形作るためには、失敗を許容しチャレンジする、という意識も一緒に必要になる。自主自律でも、チャレンジしなくなれば、その範囲までしか物事は実現しなくなるだろう(個人にとってはそれも一つの幸せのタイプだと思うので否定はしないが、個人的には物足りない)。

組織づくりの指針にしている会社の一つにブラジルのセムコ社があるが、そこは「社員を大人として扱う」というのが一つの基本方針になっており、これに強く賛同する。弊社団でもメンバーを「自律した一個人の大人」として見ることを前提に多くの制度も組み立てている。

『自主自律』を構成する要素を抽出すると、最低以下はポイントになると考える。
①本質を考える(なぜなぜ)
②当事者意識
③成長意欲
④ポジティブシンキング
各項目内容はまた別記事で記載していくが、これらの項目がキャッチ画像の関係図のように関連して『自主自律』した人材を形成しているのだと考えている。

ちなみに、「自立」ではなく「自律」にしているので、自分の足で「立つ」のは前提で、その上で倒れないように「律する」こと。自分の人生を自分でマネジメントする、「ティール組織」の「自主経営(セルフマネジメント)」とより一致する言葉だと考えている。

毎日の行動が大きな成果の差に繋がる。1.01^365=37.783、0.99^365=0.025

出来る人と出来ない人の違いは何だろう。
一つ分かりやすく見える方程式は、以下のようなものだと思う。

1.01を365日乗数でかけていくと、結果は約37.78、
0.99を365日乗数でかけていくと、結果は約0.025。

毎日1%向上すると、1年後には37倍になっている。
毎日1%堕落すると、1年後には0.025倍になっている。

そもそも、365日なので0.01×365で 3.65倍じゃないの?と思う人もいると思うけど、経験上、能力向上は乗数的だと感じる。
人の脳は神経細胞一つ一つが、多くの他の神経細胞と繋がっている。神経細胞一つ増える毎に、それと連動する機能は1つ以上に増える。
知識は連動的で、にんべん、さかなへんがつく漢字といった覚え方や、この人にはここで会った、こういう場所で会ったのはあの人だ、という連想記憶がより強固な記憶に結びつく。

経験でも、様々な知識が結びついて新しいものが出来上がることがよくある。かのAppleの有名な故スティーブジョブズも、カリグラフィー[*1]授業が後にMacを開発するときにその知識が生かされたという話もしている。
[*1]カリグラフィー――文字を美しく書く技術のことで、日本で言えば書道に相当する。その体裁を整えるための文字の書体やサイズ、レイアウトなどに関する視覚的なデザインの総称がタイポグラフィー
ジョブズと比べるのは別として、私自身もIT業界から水辺環境という土木、環境、農林水産といった業界に接するようになったが、IT業界での標準が新しい分野ではまだ標準でもない、といったことは多々経験している。
新しいものでなくても、勉強・仕事しまくっていると、知識が体系化されて急に全体理解できるようになるとき、ありませんか?

信用も、経験上1.01の積み重ねが大きな信用に育っていく。
相手の期待値の斜め上を常に行くことで、この人に任せていける、この人になら多くを支払ってもそれ以上の価値を出してくれる、と感じてもらえる。ビジネスとしてお金を頂くには特に重要な姿勢である。
これは乗数なのかどうかははっきりしないが、少なくとも1.01をやっていくことによる副次的な効果であるのは確かだ。

ピアノやゴルフ等、特定の分野で世界的な一流になりたいのであれば1万時間の練習や実践が必要だ、という話もあるが、これも1.01の積み重ねの重要性とイコールと考えられる。

実際のところは、1.01を積み重ねると、ある時まで5だったアウトプットがいきなり100になる、というのが真実かもしれない。
または、ある閾値を超えて、99までは普通に見えるが、100を超えるとすごい人に見えるのかもしれない。

どういった評価であったとしても、努力すること、相手の期待値を超えること、あと少しの部分を頑張れる人、こういった習慣は、1.01を積み重ねる習慣であり、社会的な成果を出している。

仕事において、良いプライドと悪いプライド

「プライドを持て!」「プライドは無いのか」そんな言葉があり、プライドは仕事の成果を高める上で一つの重要な意識と考えられる。
一方で、「あの人プライド高いよね」という言葉はマイナスの意味(人の言うこと聞かない、独りよがり)で言われる。
成果を出す上で「プライドを捨てろ」という話も言われる。
同じプライドなのに?

プライドには2種類あると気づいた。
外向けのプライドと、内向けのプライド。
成果・作品に対するプライドと、自分をよく見せるためのプライド。
仕事において良い効果を与えるプライドは前者。後者は悪い効果を与える。

ちなみに、プライドの意味は「誇り」「自尊心」。prideの語源はフランス語で、「誇り」の意味で使っていたが、イギリス人から見るとそれが「思い上がり」や「高慢」に見えたとのことで、それらの意味も含んでいる。

自分に向いたプライドは、それだけの自信・自負があるのかもしれないが、それは一方で「資産」であり、無くしてはいけないものになってしまう。
カッコよさにプライドを持ってしまうと、カッコ悪いことが出来なくなる。
すごい人であるというプライドを自身に持ってしまうと、失敗が怖くなる。人より自分が優れていると思うため、人の話・アドバイスを聞けなくなる。出来ない人の典型パターンになる。
(年老いて人の話を聞けなくなるのも、このプライドとの関係かな。能力は下がってくるが出来てきた自分の「資産」は増えていくため、より困った人になりがちになるのかも。他山の石として人生で気をつけるべきことかな。)

一方で、外向けのプライド。
自分が作った製品・作品へのプライド。これは持っていないと、喜ばれる、品質の高い、感銘を受けるような創造物は作れない。
自分が作ったプログラムへのプライドが無ければ、人にどう使われても、どのように言われても気にならないので、品質を高くしようという努力もされないし、素晴らしく使い勝手の良いソフトに作り込む意欲も湧いてこないだろう。

自分へのつまらないプライドは捨て、自分が作り出すものへのプライドを持つ。
人はその人が出す成果を通してその人の人間性を、その人のすごさを見ている。
プライドの持ち方も、そのラインを勘違いするとタダのイタい人になる。