内水面漁業の活性化提言←川釣りはもっと注目されてもいいはず、という話


瀬川です。note にも同じテーマで記載していますが。

今年に入ってから、内水面漁業の活性化提言活動始めてます。
一般社団法人ClearWaterProjectで運営している「つりチケ」で、組織としてはそれこそ内水面漁協に述べ1000回以上は訪問してきたかと。その結果の実感値と分析から、変えるには法律含む制度変えるしかない、というのが結論で、活動始めてます。

まず。多くの人にとって、そもそも内水面って何?というところから疑問があるのではないかと。

「内水面」とは「海面」との対比で、陸地内の河川や沼、湖のことをまとめて「内水面」と言っています。
「内水面漁業」というと、河川・池・沼の淡水における漁業のこと。
海にある漁協=漁業協同組合とは別に、河川・沼・湖にも魚等生き物を獲る権利を持つ漁協があるのです。

で、内水面漁業はあくまで「漁業」で、川で魚などを生計や食として、漁 として獲る活動。
一方で、釣り(=漁業との対比語としては「遊漁」)というレジャー・観光に分類される活動もある。(研究としての生物採捕は主軸でもなく量も多くないので今は置いておく)。
ここでは、あくまで海の話でなく、「内水面」に限定の話として見てください。

以下、アップした添付資料にも一部記載ありますが、
・釣り業界の釣り人口は右肩下がり。釣り市場全般は2011年からしばらく上がっていたが2019年頃で頭打ち感(参照:https://baysidecouncil.net/archives/5183)(ただし海と内水両方入っている情報。また市場として考えたときに、単価向上により一定期間市場成長は可能。)。
・川釣りは遊漁券販売枚数ベースだと、5年毎に1割以上源(漁協が減った、販売店減った等もあるため人口減少のみではないが、現場の感覚値としては川釣り人口減で一致)
・漁協数や漁協組合員数は右肩下がり
・ただし、日本の人口減少より明らかに減少幅が大きい。
ということで、川含む内水面の漁業も釣りは衰退し続けている、という状況。(細かく言うとワカサギや渓流と、鮎はまた違ったり、ふな、こい、うなぎ等も異なってきますが全般として)。

ただ、この問題、自身、また一般社団法人ClearWaterProjectとしては
■漁業法規定の内水面漁協に対する「増殖義務」「都道府県知事による認可」「組合制度」等いくつかのポイントになる法制度問題。
■水産と経営の両方の観点が必要な漁場管理に、その場を良くするインセンティブ無い組合員に任せている状態(個人的には、①増殖義務という名の義務放流量=生産活動あり ②遊漁料徴収権はあるが遊漁料は自由に設定できない=販売問題 ③組合員にその場を良くするインセンティブは無い(自分に返ってくる利益は無く公共のため) の3点セットは、「これ、過去に崩壊したソ連の社会主義制度そのままやん!」)
■そもそも漁業法に「遊漁」「観光・レジャー」の概念がない(「漁業」法ですしね。)
という根本的な点に問題あり、と結論しています。

地域資源としての川の魚、を松茸生えている山を共同管理したように共同管理してきた文化を、漁業協同組合として明治に海の漁協と合わせて制度化した流れから始まり、1949年の当時の想定から組み立てた漁業法の視点が組み込まれたまま運営され続けてきた、制度疲労の極致の一つ。

川含む内水面は、生物資源(人間が対象に捕獲する魚等)が海より容易に減って無くなるため、資源管理する主体が必須である。
 →資源管理を、その地域で魚を取っていた人たちで組織された内水面漁協に任せてきたが、環境要因変化とそれに対応しない制度及びその運営疲労により資源管理出来なくなっているところが大部分になっている。(地域の善意で成り立っているところが多い)。
  →新たな資源管理主体・方法に切り替え出来るよう整備することが必須。これの具体策は要検討ながら、A)遊漁を漁業法と切り離す B)既存法のポイントとなる一部を修正し、水産庁・都道府県解釈も合わせて柔軟化 あたりが必要かと。


現在、水産庁、全国内水面漁業連合会、都道府県、釣り市場業界(メディアや釣具メーカー、販売店等)、国会議員等様々にあたっているところです。
ただ、国会議員はまだ2022年5末時点で未アクセス(参院選がそろそろあるので会いにくくなりそう)ながら、他一通り当たった感触では、「自分達以外がどういうか」という、問題意識は持ちつつも対応主体でないため簡単には動かせなさそう→社会で議論されている状態を作ることが重要、と認識し第一弾でアップしました(ほぼ言いたいことは資料に書いていますが)。

今後、資料の中身をそれぞれ文字化していきたいと思いますが(他媒体で行うかも)、まずは発信していく必要があると考えて記載しておきます。

もし本件質問、意見、一緒に活動したい等々ありましたら、ClearWaterProjectお問い合わせ でお問い合わせ項目「内水面再活性化提言活動について」を選択肢、 瀬川 宛にご連絡ください。

また、pdfは共有頂いて結構ですが、もし他に共有される場合は、出来れば上記お問い合わせより こういったところに共有するよ、と一言お伝え頂けると嬉しいです。


自分のスタンス、役割、ポジション


瀬川です。この記事内容は、自身が何を考えて起業して、事業起こして、行動しているのか。仕事をしているのか。

以下添付の資料の通り、現在の状況・問題は、マクロにみると現在の生活の結果に起因している、という考えに基づいている。
つまり、いくら環境要因が整っていないところで個人が努力しても、その個人とその周囲はそれで変えられるだろうけど、全体の流れで言うと大河の一部で、流れは変えられない、と考えている。

この話よく例に出すのは、不謹慎かもしれないが自殺者数の推移の話。

https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/taisaku/sesakugaiyou/
(厚生労働省HPの、自殺対策の概要ページ)

上記のURL等、「自殺者数、推移」等で画像検索すると推移データを見れると思うけど、この自殺者数の推移、に疑問を持ったことはないだろうか。
2019年時点では男女合わせ2万人強の方が自殺していて、直近40年で一時期3万人強が自殺しているが、全体では2~3万人で推移していて、前後の年と大きく数が乖離していない(平成10年に急激に上がっているのは、大手金融機関破綻タイミングの影響では、とネット上の考察では書かれている)。

基本自殺したくてする人なんていない、という前提のもと、例えばランダムに自殺したくなるなら去年自殺者数50人で、今年は5万人でした、ということがあってもおかしくないはずである。
しかし、実際は前後の年で似たような数値になっているのがほとんど。(変動幅は平成10年を除けば全人口1.2億人の0.04%以内に収まっている)。

自分なりのこの結論は、自殺に踏み込むような環境要因が揃ったことで一定割合の人が実際自殺してしまう、という観点。一定数が自殺に踏み込むような環境条件であるということ。
人として最もやりたくない自殺でさえそうであれば、他の意識しない行動は環境条件によってマクロでは非常に左右されているのだと考えてしかるべきではないかと。一つ一つわざわざ上げないが、実際もそう考えると筋が通ることは多くある。

結局、世の中を変えたいなら、その環境条件を変えていく必要がある。
それは、技術(馬→車、携帯→スマホ、ろうそく→電気、等々)
空間(緑の多寡、部屋の広い狭い、帰り道途中のコンビニ出店等々)
法律(犯罪の抑止に刑罰、道路交通法、結婚制度、等々)
事業モデルもある(ユニクロのSPAモデル、ヤマトの宅急便、上下水道、電気等々)

自身は、経済学部に入った理由に、「銀河英雄伝説」という小説の中で、戦争も経済の上に成り立っている(ポジティブな意味ではなく、戦争もお金に影響されている、という話)にすごい説得力を感じ、世の中の基盤の経済部分に関わる意識で選んでおり、その流れで事業モデルの組込により社会環境を変えていくことを考えて起業した。(起業は大学時代のサークル内の人の出会いが明らかに大きい)

その行動の先には、一つの課題(自身では水問題全般)は、結局法律や空間、技術の社会実装も含めた色々な総合的な環境要因の組み合わせであり、それらすべてを変えていく必要がある、ということ(大抵その各要因の中で、ボトルネックになっている影響要素の大きい環境要因がある)。

なので、一人一人より、その人達に影響する環境要因自体の改善に興味がある。自社サービスを作るのも、組織が結果ティール組織と言われるような組織になっているのも、法改正のために動き始めていることも、結局根っこは同じである。

個人的には一人一人が楽しく幸せに暮らし活躍できるようにしたいと思っているけど、上記のような意識なのでどうも人に対して冷たい人だと思われている部分もあるようだけど、本質的には全体最適を目指しているので、自身に関しては一時の個人の感情は置いておける(そのため人への感情面への配慮がおろそかになり、嫌がられるとか、逆鱗に触れることもある)。

こういった考えを持って行動しているし、自分がこういう人間だと明確にわかるようになっている。
孔子の「十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る」(六十以降省略)は、結構このような年齢で進んでいる感はあり。2500年程度前だと人間さして変わらなさそう。


新会社:株式会社Geotrans を立ち上げました


瀬川です。新しくAI×土木・環境分野の株式会社Geotransを今年2022年1月に立ち上げました。

HPはまだ立ち上げられていないが、空撮画像(ドローン・航空・衛星)の画像認識AIで2年前ぐらいからこっそり関り始めていて、本格展開フェーズに入ったので事業化会社化した次第。

直近は行政分野の基図をAIで自動生成するAIモデルを開発・展開していて、農地・地番図・森林分野で展開開始。(河川も引き合い次第で優先したい)。

さっそくAIエンジニアが足りなくなりそうな状態のため、将来の中心になるAIエンジニアを募集中(今すぐCTOレベルならよりベター)。興味ある方、紹介出来そうな方いれば是非ご連絡を。(wantedlyの応援だけでも大変うれしいです)

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何故>>

個人的には一般社団法人ClearWaterProjectのずっと水環境に近い分野の事業化を探してきて、そのうちの一つとして。

今までのITは結局リアル・実在と直接的に関わるわけではないので、土木・農業・林業・環境分野ではそこまで関わる部分が無かったけど、AI(特に画像認識)により、見て判断する、という部分で活用できるようになり、その分野で可能性が一気に広がったと思ってる。

自身の基本コンセプトが今の行政の仕組みでは出来ないが社会の仕組みとして必要な事をする、なのでそこに繋がる可能性を感じている。(一方で、必要だけどお金として回らない分野が多くあることも認識している)。

Geotransは上場・売却も選択肢の一つしてスピード重視で株式会社creatoからは切り出しているので、外部出資も受け入れしています。AIでより根本的な国土形成の計画や合意形成、コーディネート分野にリソースを集中してもらい、幸せに過ごせる環境・インフラ作りに注力してもらえるよう、AIで出来ることはAIでスピード上げて進めていく。

本ブログは個人の心の声まで書くところだと思うので書いておく。

Geotransにより直近では画像処理AIで行政分野の基盤図生成業務を効率化・迅速化していくAIモデルツール提供していく事業になる。その先に、多くの育てたAIモデルを持つことで、例えば衛星画像から国土の状況を随時把握することが可能になる(例えば田んぼの田植え面積判定で生産量を予測、住宅地の屋根を判定し太陽光パネルに全部変えた場合の出力量を算出等々)と思っている。
ただ、Geotransの自身の位置づけは
①国交省、農水省、環境省管轄の国土形成により近い分野で、かつ既存事業ではない分野を創り出す
②お金が回り、全体としてのより攻めやすいポートフォリオバランスを創り出す
というもの。

例えば水環境の問題を変えたいときに、川や海の生物多様性状況を改善するには
1)資源管理(適当にほおっておくと、希少種や食べておいしい魚等は人がどんどんとっていく。人の採取量が資源量より多いので、基本すぐ全滅する)
2)山の植生の変更(ほおっておいても多様性が担保される広葉樹や樹種ミックス環境への変更)、もしくは林業が環境面にも配慮し適切に機能している(杉やヒノキばかりで放置だと、土砂流出量が10倍近く変わる川への水供給が普段少なく豪雨時に大量になる、等)
3)農排水時の農薬問題(生物現象)
4)川と周辺地の接続(川と田んぼの接続によりドジョウやウナギ等行き来出来て増える、川の横面をコンクリにすると土砂や石、及びミミズや虫等の魚の食料供給が減る、ダムや落差工・堰堤で鮎やウナギ等流域行き来して暮らす生物が住めなくなる、等々)
5)水質問題(家庭排水や工場排水。薬品や油はより問題)
6)マイクロプラスチック問題(海へのごみの70%は川から流れてきて、その川への流入も道路わきの排水溝等から流れ出て来たりもする。)
(各種研究結果多数のため探すのはお任せしますが、聞いてもらえばいくつかはすぐ出せますし、必要なら各種の第一人者の研究者の方を紹介も出来るかと。)
等々、ぱっと思いつくレベルでも上記ぐらいある。

国土だけでなく、経済活動も大きく影響しているため、それらとのバランスが重要になる。
そういう意味では、国土計画=経済課題(人がどう生活できるか)にも関わってくるので、国土計画だけでもすべて解決できるわけではない。ただそれでも大きな影響部分ではあり、それらに口出しできるだけの影響力とバックボーンを持つ必要がある。
自身は政治をやってきたわけでも、研究者でも、行政マンでも無い。今からそこに飛び込んだとて、それらの先人に囲まれた一人でしかないし、もしそもそもその分野に入って解決できるなら、今出てきているような問題群自体が発生していないだろう、と考えると、全然別のアプローチをする役割が必要だと考えている。

少し話はズレるが、内水面環境(川や湖等、海でない陸地内の水環境)の釣り・漁業にも『つりチケ』を通して関わっているがこちら他記事でも書く予定だが、右肩下がり、内水面漁協も魚も釣り人も右肩下がりの衰退分野。しかし日本の人口減少より明らかに下がり方が激しい。
この課題を色々調べたり、つりチケを通して得たネットワークで情報を集めて分析すると、自身としては結局制度問題であることに行きついた。漁業法が制定された1949年から、背景の考え方変えずに運用してきた状態が元に、国と都道府県が積み上げ運用して溜まった問題の集大成だと。


ただ、これは
・法及び解釈を過去のまま引き続けて積み上げて硬直化した制度問題
・それを運用する行政の硬直性(法に則って施行運用するのを最重要ミッションにするので若干仕方ない文化的側面)
・それらを変える「頭」を持つ役割がいない(本当は政治家がそうだが、新しく話題性ある分野の制度改正が中心になり、根本の幹を変えるところに手を付けていない)
がその問題の根っこにあり、これらを変えない限り、今の日本の閉塞感は打開できないだろうと思っている。

話を戻すと、計画を変えたり何か実行するのも、行政分野は上記法に則った施行が重要だが、それらを現状環境や技術によって変わった条件状態に合わせて根本に手を付けることができない分野が、特に行政が手掛ける農林水産、国交省等規制分野では特に色々あるだろうと想定されることである。
なので、色々やっていくと結局そういった制度面の運用の柔軟化や、その手前の制度が現在の即していない状態の変更をしていく必要があるだろうと想定していて、GeotransでAIで国土計画の補助が出来たからと言っても、効率化で条件面が変わって行政運用を変えられる条件面がもう少し進んだ、というレベルで、きっと根本のところを何かアクション起こしていくことがゆくゆく発生するのだろうな、と思っている。

でも、一個人がそれを最終的に実現していくには、そのための協力者と労力と、それを支える資金が必要になるため、結局そのための②をやってきたし、水環境分野で実現するために①を目指してきた、という話でGeotransはその延長線上にある、という話。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
この問題意識を共有できる人とは是非議論し、一緒にやっていきたいので、お問い合わせより是非是非個別にもご連絡ください。
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